日本美術刀剣保存協会 東京都支部




◆2019年度 第4回鑑賞研究会◆

2020年1月18日(土)
於:東京美術倶楽部

刀剣『古備前・古一文字』 岩田 隆 講師
刀装具『後藤家上三代』  葉山 修陽 講師
刀剣一本入札鑑定


東京都支部・新年鑑賞研究会について  服部 一隆

東京都支部の新年鑑賞会は、1月18日、東京美術倶楽部にて開催されました。
みぞれも混じり底冷えする日となりましたが60名を越す多数の方々にご参加いただきました

当日のテーマは
鑑賞刀「古備前・古一文字」
刀装具「後藤家上三代」
一本入札鑑定
となりました。

まず刀装具について葉山修陽講師により解説を頂きました
会員の方々のご協力の下、祐乗 宗乗、乗真の名品が数多く並ぶ中
それぞれの比較、三所の重要性、芋継の技法が既にあった事や
丑の雌雄判別の細かな造形に関しては笑いも交えつつ
様々な角度からご説明頂きました。

刀剣につきましては岩田隆先生を講師にお招きし
一本入札鑑定刀の解説がなされました

鑑定刀は、以下の5振りでした。

1号刀、太刀 「来国行」

2号刀、太刀 「尻懸則長」

3号刀、刀、「備前長船元重」

4号刀、太刀、「安綱」

5号刀、太刀、「包永」


いずれも素晴らしい古名刀でしたがテーマである古備前がよぎり
苦戦される方も多かったようでした。
解説においては古備前との違いや逆に共通する部分、
4号刀の一見近い古伯耆との差異する点や5号刀との肌や地景有無といった
細かくお話をいただきました。

成績上位者は以下5氏でした。

天位、二階堂克弥氏

地位、会田功氏 奈良原和夫氏

人位、川本恭平氏


続いて鑑賞刀「古備前・古一文字」の解説に移り
こちらも素晴らしい名刀18振の刀が並び
一振り一振りに細かな解説を戴きました。
古雅な物や精美な地鉄の物はもちろん焼きの高い丁字で
一見福岡一文字に見紛うものや
匂い口締まり鎌倉末期の長船を思わせるような物等
様々な出来、珍しい銘の数々に圧倒されました。
古備前の奥の深さと後に続く備前刀の隆盛の基盤の強さを感じました。

鑑賞会終了後には新年懇親会が行われ
終始和やかに親睦を深められた後散会となりました。

ご協力戴きました皆様には重ねてお礼申し上げます。

次回の鑑賞会は4月25日(土)となります。




◆2019年度 第3回鑑賞研究会◆

2019年9月28日(土)
於:東京美術倶楽部

刀剣『刀剣研磨について』 藤代 興里 講師
刀装具『柄巻について』  飯山 嘉昌 講師
刀剣一本入札鑑定

 

第三回 定例鑑賞会報告    荻野光章

東京都支部9月の鑑賞研究会は、28日東京美術倶楽部にて開催されました。
何時も通り、刀剣の一本入札の他、

刀剣は「刀剣研磨について」刀装具は「柄巻について」の特集にて行われました。

柄巻については、飯山講師により実物見本を前に、

作業工程にそって柄巻が出来上がる迄の行程を解説していただきました。

柄下地より柄形(ツカナリ)(三種)、に始まり鍔・切羽を装着しバランスをとり、

目釘穴を設定し、その後鮫着せ(鮫着せ5法)、そして柄巻へと、柄糸の種類、

柄糸の巻き方の種類などを、見本を見ながら説明いただきした。

これらは、拵え等により細かく使い分けられ、

代表的なものは肥後拵え、天正拵え、尾張拵え、殿中指し、

などが挙げられるとの解説でした。

亦、白鞘の目貫と拵えの目貫違い、竹の固い部分の方向の使い分けのお話は

大変勉強になりました。


刀剣研磨については藤代講師により刃取りと差込みの研ぎについて、
こちらも研ぎの見本を前に解説していただきました。

近代刀剣研磨の刃取りは本阿弥平十郎によるものが現代研磨の原形となっている、

講師が調べたところでは刃取り研ぎの期限は安政3年頃から始まった様である事、

差込研ぎは江戸中期頃からと推測されるとのことでした。

古い時代の研ぎはほとんど残っておらず、

古いものが出てきても研ぐ直されることが多々あり、

藤代講師が実見されたものでは、直刀には名倉の研ぎ目が残った由、

また仏像の体内より発見された短刀(長光頃のもの)に

内曇りの研ぎ目が残っていたそうです。

研磨という性質上、古い時代の研磨の状態で残っているものは非常に少ないことが

残念であると、普段知る事の出来ない貴重なお話をうかがいました。

 
一本入札は、

1号刀、太刀「豊後国行平」

2号刀、短刀「國広」

3号刀、太刀「古備前成高」

4号刀、太刀「古青江助次」

5号刀、刀「南紀重国」

以上の難物揃いでした。

成績上位者は

天位 55点 
堀込晋
緒方嘉隆

地位 40点 
池永順一

人位 35点 
荻野光章
勝田茂
渕江錦治
松本啓之亮
(以上敬称略)

次回の鑑賞会は、2020年1月18日(土)となります。


   
鑑定刀  古い研磨刀  鑑賞会内容
     
 刀装具 『柄巻について』 
飯山嘉昌講師
 刀剣 『刀剣研磨について』 
 藤代興里講師・川島貴敏講師
 一本入札鑑定 解説
岩田隆講師




◆2019年度 第2回鑑賞研究会◆

2019年7月27日(土)
於:東京美術倶楽部

刀剣『相州物について』 紙谷 治宏 講師
刀装具『東龍斎清壽と東龍斎清壽一門』  池田 長正 講師
刀剣一本入札鑑定

第二回定例鑑賞会報告         東京都支部 瀬下友里子

 
令和元年7月27日、東京美術倶楽部に於いて東京都支部定例鑑賞会が行われました。

当日は蒸し暑い中、およそ90名近くの方が出席されました。
 今回の刀装具は「東龍斎清寿とその一門」がテーマで、解説を池田長正講師よりいただき、

見どころや特徴などをわかり易く、また大変興味深いお話をして頂きました。

 清寿の代表的な作品である「雀海中蛤図」鐔や三所物・小柄等の見事な作品が出陳され

清寿門下の逸材の鐔など清寿と一門の素晴らしい名品が18点も並び、

非常に見応えのあるものとなりました。



 鑑賞刀は「相州物」がテーマで、相州伝の作品が18口も並び、大変迫力のあるものとなりました。

相州伝の事実上の祖と伝える新藤五国光の作を初めとして、門下の行光・正宗・則重

南北朝期に活躍した秋広や長谷部国信。
さらには室町期の相州広正・綱広、小田原相州の康春な
ども出品されました。



 紙谷治宏講師より解説をいただき、各時代の相州伝の作域やその変遷がよく理解
れ、
勉強になる鑑賞会となりました。



鑑定刀は、一本入札で行われ下記の5口の作品が出題されました。

解説は引き続き、紙谷治宏講師にお願いし、各鑑定刀の特色を示され、大変参考になりました。

一号刀 兼定(之定)
二号刀 相州住綱広(三代)
三号刀 信国
四号刀 長谷部国信
五号刀 秦長義


 成績上位者は

天位 冥賀亮典

地位 中村和人

人位 棚橋和明、中村圭佑、奈良原和夫

(以上 敬称略)


 解説後も皆様最後まで熱心にご覧になられておりましたが、終了時刻となり午後4時に散会となりました。
今回も、多くの方が参加され、大変活気のある鑑賞会となりました。

次回は、9月28日、東京美術倶楽部にて開催いたします。

 



   
鑑定刀  鑑賞刀(刀剣一本入札鑑定)
   
刀剣 『相州物について』
紙谷治宏講師
刀装具 『東龍斎清壽と東龍斎清壽一門』
池田長正講師