日本美術刀剣保存協会 東京都支部


◆活動報告◆




◆2024年度 第二回鑑賞研究会◆

2024年7月27日(土)

於:東京美術倶楽部

 刀剣一本入札鑑定
 刀 剣:『鎌倉期の刀工』 岩田隆 講師
     『刀剣研磨について』 柳川清次 講師

 刀装具:『柄の鑑賞法について』 飯山隆司 講師 

鑑賞会レポートは後日UPします。






◆2024年度 第一回鑑賞研究会◆

2024年4月20日(土)

於:東京美術倶楽部

 刀剣一本入札鑑定
 刀 剣:『正宗十哲展出陳刀を中心として』 冥賀吉也 講師
 刀装具:『縁頭』 葉山修陽 講師



東京都支部 4月鑑賞会報告 冥賀亮典

令和6年4月20日(土)、東京美術倶楽部において東京都支部鑑賞会が開催されました。
春らしい晴天に恵まれ86名と多くの方が参加されました。
刀装具は「縁頭」をテーマとして葉山修陽講師より解説がありました。
古金工、肥後、仙台、尾張、美濃、横谷宗與、七宝、石黒政常・政義、村上如竹、後藤光孝、染谷友信、津尋甫、風香、雪山、大月光興、篠山篤興、天光堂秀国、三角など39点が並びました。
縁頭は古くは古金工よりはじまり、江戸や京に多くの名工が世にでて、ほかに肥後・尾張をはじめ仙台・美濃など地方色も豊かであります。縁と頭では、頭の方が賑やかでこれは拵えの金具とした時に、頭が見栄えの良い箇所にあることが理由となります。古いものは介金が細く、天井金が薄い。幕末には一部に鋳造もあるなどの詳細な解説がありました。

鑑賞刀は「正宗十哲展出陳刀を中心として」のテーマで冥賀吉也講師より解説がありました。
正宗十哲展出陳刀:5振 (#は図録番号) 、特別重要刀剣:5振、重要刀剣:3振を含む13振が並びました。

短刀 銘 国光(新藤五)[重要刀剣]
短刀 銘 鎌倉住人行光 元亨二年三月(#9)
太刀 銘 長谷部国重[重要刀剣]
脇指 銘 長谷部国重 文和二二年八月日[特別重要刀剣](#27)
脇指 銘 長谷部国重[重要刀剣](#26)
短刀 銘 兼氏(#32)
刀 無銘 兼光[特別重要刀剣]
刀 無銘 長義[特別重要刀剣]
太刀 銘 則重[特別重要刀剣]
太刀 銘 筑州(以下切)(伝 左文字)[特別重要刀剣](#54)
刀 (金象嵌銘) 貞宗 光遜(花押)
脇指 銘 安吉 
短刀 銘 国広(堀川)(包丁正宗写し)

相州伝とは、「鍛えに地景がよく現れていて、刃に金筋が働きそして地も刃も沸が強い」特徴があります。
正宗の作風には、のたれ・大きな互の目乱れ・直刃調の小乱れなど様々な刃文があり、特に「雪のむら消え」と形容する沸のつき方に特徴があります。
正宗十哲については、則重はむしろ新藤五国光門下で兄弟子です。正宗に最も近いのが兼氏であり、他の刀工は南北朝期に相州伝の作風を焼いた刀工です。正宗の高い評価の源は、信長・秀吉・家康その他の当時の武将達の人気が高かったことなどが考えられ、さらに享保名物のなかに数多く選ばれたことなどが考えられ、現在、国宝のなかに九振あります。
相州上工の在銘品は極めて少なく、正宗には四振のみです。今回の出品刀のなかには、元亨二年紀の行光の短刀、則重の太刀の在銘品は四振であるがその内の一振、更に左文字の太刀の在銘は二振のみであるが、その内の一振が出品されました。鑑賞刀を通じて、地景・金筋・地刃の沸の魅力を充分に味わっていただきたいとのことでした。

一本入札の鑑定刀は下記の5振で同じく冥賀吉也講師より解説がありました。
一号刀 小太刀 助次(重要美術品)
二号刀 刀 (額銘)備中国住次直
(金象嵌)毛利元康所持 依此刀利埋忠磨上之(号:朝霜)(重要美術品)
三号刀 脇指 肥前国住人忠吉作(初代)
四号刀 脇指 近江大掾藤原忠広 延宝二年八月吉日
五号刀 脇指 作陽幕下士細川主税佐源正義(刻印)天保十二年辛丑八月日

成績上位者は
天位 :緒方嘉隆
地位 :松本啓之亮
人位 :坂田龍一・岡田壮右

次回の東京都支部鑑賞会は、令和6年(2024)7月27日(土)を予定しております。



過去の活動についてはこちら


Copyright (C) 日本美術刀剣保存協会 東京都支部 All Rights Reserved.
design テンプレート