日本美術刀剣保存協会 東京都支部


◆活動報告◆




◆2023年度 第四回鑑賞研究会◆

2024年2月17日(土)

於:東京美術倶楽部

 刀剣一本入札鑑定
 刀 剣:『山城物』 紙谷 治宏 講師
 刀装具:『奈良三作』 髙橋 歳夫 講師



東京都支部 2月鑑賞会報告      帆足 真耶

去る令和6年2月17日、東京美術倶楽部4階において東京都支部の定例鑑賞会が行われました。
例年よりも早く春の気配が近づく中、77名の方にご参加いただき大変盛況な会となりました。

今回の刀装具のテーマは「奈良三作」。
髙橋歳夫講師により集められた 杉浦乗意、奈良利寿、土屋安親の名品と、
比較対象として偽物数点 合わせて50点近くの作品が並びました。
作品の傍には大きく拡大された写真が並べられており、詳細に鑑賞する手助けとなりました。
偽物と正真の相違点、或いは安親と夏雄の違いなどはこのように大きく拡大して見た時に
如実に現れるというお話など、非常に勉強になる解説を聞かせていただきました。

鑑賞刀のテーマは「山城物」ということで、三条宗近に始まり埋忠明寿まで、
厳選された山城物の名刀 15振が並びました。
在銘の現存僅か数点 太刀 三条
長いものは非常に珍しい 太刀 国吉
再刃ではない吉光の長いものとして現存唯一 小太刀 吉光
等、博物館の展示で並んでいるような貴重な名刀がずらりと並び、
それらを実際に手に取ってじっくり鑑賞することができる素晴らしい時間となりました。

解説は紙谷治宏講師で、鑑賞刀を1振1振詳しくご解説いただき非常に勉強になりました。

一本入札の鑑定刀は、

一号刀 太刀 助真
二号刀 短刀 国光 (新藤五)
三号刀 短刀 金象嵌銘 則重
四号刀 刀  無銘 貞宗
五号刀 脇指 相模国住人廣光 延文三年三月日

の5振で、こちらも紙谷治宏講師に解説していただきました。

鑑賞刀のテーマである山城物との対比として相州伝の刀で揃えてあった点が興味深く、
解説後も両者をじっくり見比べることができました。

成績上位者は以下の通りでした(敬称略)。
天位 池田長正
地位 松本啓之亮
人位 堀込晋

女性枠の成績上位者は
天位 唐木洋美
地位 鈴木小百合
人位 桜田宏子

新年最初の会ということで、成績優秀者には宮崎富次郎氏の名著「安親」と、
現在ふくやま美術館で開催中の正宗十哲 展の図録という、豪華記念品が贈られました。

次回の定例鑑賞会は、2024年4月20日(土)に、東京美術倶楽部4階にて開催予定です。




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